「美しい国」とは一体何なのか?憲法9条のおかげでイラクで自衛隊一人も戦死しなかった事は誇りだ

安倍はまだ美しい国を目指しているのか?
正道をしたたかに進む知的な国を目指せよ!

[東京新聞 2013年5月2日 より]
社説 憲法を考える 日本版PKOがお手本に

日本は憲法の制約から自衛隊を国連平和維持活動(PKO)に
派遣しても人道支援に徹してきました。
気が付けば、他国のお手本になっていたのです。

今年三月、ベトナムから六人の陸軍将校団が来日しました。
目的は自衛隊のPKO参加のあり方を学ぶこと。
ベトナム軍といえば、米軍との間で血で血を洗う激しい戦闘を
繰り広げたベトナム戦争を思い起こします。
中国人民解放軍と戦った中越戦争もありました。

米国、中国という二つの大国と戦った国が日本に学ぶ、意外な
感じがします。

◆ベトナム軍が研修
 壮絶な戦争を経験したせいか、ベトナムは軍隊の海外派遣に
 消極的でした。
 太平洋戦争で三百万人以上が亡くなり、二度と戦争はしない
 と誓った日本と似ています。
 近年、日本のPKO協力法に相当する法律をつくり、PKO参加
 のための準備を始めたのです。

 四日間かけて防衛省や陸上自衛隊で研修しました。
 その実績からPKO大国と呼ばれる北欧諸国やカナダでなく、
 なぜ日本なのでしょうか。
 団長のベトナム国防省軍医局長、ビン少将は本紙の質問に
 こう答えました。

 「PKOとは何か、実態を知りたかった。
  日本は武力を使わない国際貢献を積み上げ、PKOでは
  人道支援に徹しています。
  日本が定めているPKO参加五原則に強い印象を受けました。
  いずれもベトナムの国情に合うものです」

 冷戦後、国際貢献のためのPKOに乗り出すうえで、憲法九条
 との整合性をとるために生み出された五原則。
 停戦の合意があること、武器使用は必要最小限とすることなど
 を派遣条件としています。
 この制約があるから自衛隊は道路や橋の補修といった人道支援
 に限定して参加してきたのです。

◆九条強調した元防衛相
 海外で一人も傷つけることなく、
 「まじめで礼儀正しい」「技術力がある」
 と評価を高めてきた自衛隊。
 派遣を命じる政治家にも慎重さが求められました。

 北沢俊美元防衛相は今年二月、所属する民主党の勉強会で
 こう述べています。

 「二年間防衛相をやって、一番心強かったのは憲法九条。
  中国の動きが激しくなる、米国にもどう対応すればいいのか
  というはざまで、憲法九条があるから『そこのところまで』となる。
  憲法九条が最大のシビリアンコントロールだったとしみじみ
  感じるのです」

 日本防衛の指針である「防衛計画の大綱」を改定したり、是非は
 別として武器輸出三原則を緩和したりした実力派の防衛相が
 そういうのです。真意を知ろうとご本人に会いに行きました。

 長野県出身の北沢氏は太平洋戦争当時、小学生。近所の家々
 から戦死者が出たそうです。
 「働き手を失った民が困窮し、国が没落した。
  この歴史は二度と繰り返してはいけない」。
 そんな思いで政治家を続けてきたというのです。

 防衛相として八回、米国のゲーツ国防長官(当時)と会談しました。
 「ゲーツ氏が国防長官を辞めるとき
  『イラクで若い兵士が死んでいくのは耐えがたい思いだ』
  そう話したと聞いた。
  彼も同じように現実の政治の中で悩んでいたのだな、と思った…」

 日本もイラクに自衛隊を派遣しました。米軍との違いは武装勢力と
 戦うのではなく、非戦闘地域での施設復旧、給水などの人道支援
 に限定して活動したことです。
 五千五百人が派遣され、一人の戦死者もいませんでした。
 北沢氏のいう通り、憲法九条が最後の防波堤になったのです。

 日本は一九七七年、福田赳夫首相が東南アジア歴訪で表明した
 「軍事大国にならず、世界の平和と繁栄に貢献する」との
 福田ドクトリン通りに歩んできたのです。

 安倍晋三首相の目指すところは違います。
 第一次安倍内閣では「戦後レジームからの脱却」を掲げ、保守政権
 が築いてきた戦後体制を全面的に否定、今では憲法改正を公言
 しています。
 憲法解釈を変更して、集団的自衛権行使を容認すべきだとも主張
 しています。

◆地金見せる安倍首相
 「米国から集団的自衛権行使の解禁を求められたことは一度も
  なかった。安倍政権のかじ取りは危なっかしくて仕方がない」
 と北沢氏。
 タカ派色を抑えてきた安倍首相は
 「侵略という定義は定まっていない」
 と国会で答弁するなど地金を見せ始めました。

 ベトナムから視察団が来たことから分かる通り、憲法九条にもとづく
 戦後体制が築いた平和な日本こそ、世界に誇れる国ではないでしょうか。
 安倍首相のいう「美しい国」とはどんな国でしょうか。
 具体的な国家像を示さず、改憲手続きを先行させるようなやり方は
 間違いだ、とはっきり指摘しておきます。

【1000円以上送料無料】日本国憲法第9条成立の思想的淵源の研究 「戦争非合法化」論と日本国憲法の平和主義/河上暁弘【RCP】
オンライン書店 BOOKFAN
著者河上暁弘(著)出版社専修大学出版局発行年月2006年02月ISBN9784881251683ペー


楽天市場 by 【1000円以上送料無料】日本国憲法第9条成立の思想的淵源の研究 「戦争非合法化」論と日本国憲法の平和主義/河上暁弘【RCP】 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル







集団的自衛権—論争のために (PHP新書)
PHP研究所
佐瀬 昌盛

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 集団的自衛権—論争のために (PHP新書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この記事へのコメント

2013年05月03日 10:55
2点述べておきます。現在のベトナムと日本の共通点は、「中国との領土問題がある」ことです。
敗戦後の平和な日本は憲法9条があろうがなかろうが、占領政策で軍事的に骨抜きをされ、冷戦構造のはざまで戦争に巻き込まれなかった、というだけではないでしょうか?

この記事へのトラックバック